「ブランド」に関する覚書 真・Webマーケティング構築に向けて
マーケティングやブランドは、アメリカのものということを押さえておく必要があります。
学問的体系的に花を咲かせたのは、アメリカであり、日本はこれを輸入しているということ、これがポイントです。
ブランドはマーケティング用語にしてアメリカ産ということ
ブランドは、アメリカの「失われた10年 (ロスト・ディケイド) 」と呼ばれる1980年代の、後半に突然変異のように登場し、そして1990年代に確立しています。
アメリカの1990年代は「失われた10年」に対する破壊と創造
ちなみに1990年代は、アメリカでまさしく国家規模でイノベーションが行われ、MicrosoftがIBMに取って代わり、Yahoo!やGoogleが産声を上げた年代にも重なります。
失われた10年を克服しアメリカに黄金期をもたらすのはイノベーションですが、私の考えでは、まさしく構造改革にほかなりません。
ロスト・ディケイドの戦犯?である旧体制(アンシャン・レジーム)が退場を迫られました。
代わって主役になったのはまずIT関連企業で、Microsoftはご存じの「Windows 95」によって重厚長大なIBMなどのメインフレームをスクラップ同然にして、パーソナル・コンピュータの時代、ハードではなくソフトが主の時代を築きます。
Yahoo!やGoogleなどは、インターネットによる情報革命を起こし、旧式のビジネスモデルを破壊して行くことになります。
別の主役は、日本の銀行のような金貸しオンリーから脱皮した投資銀行で、金融市場を高度に複雑にしていったのです。融資から投資への変態、あるいは債権の証券化でしょうか。
現在のディプレッション(不況)と回復のシナリオ
今回の世界同時不況は、投資銀行の大暴走と、それを黙認したブッシュ政権やグリーンスパン元FRB議長が戦犯のようです(笑
ところで、不況脱出のシナリオですが、実はアメリカの失われた10年と言われる経済的停滞の期間中に、Cisco Systems(シスコシステムズ)というネットワーク機機メーカー(1984年設立)や、Dell(デル)というパソコンメーカー(1984年設立)などが起業しています。
ちなみに1984年はアメリカにとっては特別な年で、Appleの初代Macintoshが登場したのも、1984年だったのです。
こちらは、あの伝説的なコマーシャルでもわかるように、あきらかにガリバーIBMを打倒する意志を持っています。
つまり、停滞や不況のさなかに、次代の主流産業が立ち上がっているという、驚くべき現象が見られるのです。
日本も、景気対策と称して税金を使い込むのでしょうが、アンシャン・レジームの産業や、その雇用関連に投入されたら、衰退ないし滅亡するものをいたずらに延命するだけで、世界の趨勢から取り残されるでしょう。
また、日本はかつて、住宅や不動産バブルと崩壊、回復を体験していて、アメリカのサブプライムローン問題に端を発するディプレッションに、何らかの教訓を与えることができるとか、寝言をもらしています。
日本のバブルは、単純に金貸しの銀行が不良債権をかかえ込んだだけでしたが、サブプライムローンだけを取ってもみても、複雑に証券化された借金のシステムになっており、不良債権の額が確定できません。つまり、日本のバブルとは比較にならないほど、金融事情が高度化・複雑化しているわけです。
小学生が逆上がりができたと言って、オリンピックの体操選手に鉄棒を教えることはできないでしょう?
構造改革とともにある「ブランド」
さて、まずは「ブランド」はアメリカの産業構造の変化によってデビューしたマーケティング概念ということを押さえておく必要があります。
失われた10年を乗り越えようとする過程で、時代に相応しくない古い産業が衰退ないし倒産し、新しい産業が雇用と消費を飲み込んでいき、この破壊と創造の流れで過剰投資と過剰消費も加速していきます。
この受け皿としてマーケティング理論も深化し、そして他と決定的に差別化する販売促進の手段としての「ブランド」が発明されているわけです。
では、日本では構造改革は尻切れトンボで、それどころか全体的には後退的かつ批判的になってきました。
「ブランド」を受け入れるほど、日本は、サプライサイドも消費者も成熟していないのでは? ということです。
ブランドの概念
さて、最近の一連のエントリーは、ほとんどがブランドに関わるものですが、企業を高めるブランド戦略:田中洋著でマーケティングとしてのブランドを研究 の記事の最後の 『企業を高めるブランド戦略』田中洋著 からブランドの定義を引用しておきます。
アメリカマーケティング協会の『マーケティング用語辞典』によれば、ブランドとは「ある売り手の商品やサービスが他の売り手のそれと異なると認識させるような名前・用語・デザイン・シンボルやその他の特徴のことである」 となっている。
ブランドは自然に形成されるものではなく、意図的に育てなければならない対象であり、そこにはブランドを効果的効率的に構築するための戦略性が必要なのである。
注:失われた10年などの解釈は、『なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学: 池尾 和人, 池田 信夫』に依拠しています。




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