名ばかり管理職 残業代不払い 長時間労働 バイト以下の時間給 課長たちの『蟹工船』

『蟹工船』という非常に分かりやすいプロレタリア文学がもてはやされているようですね。

それにともない、日本共産党も党員数を伸ばしているとか…

同じようにレベルの低い反体制文学では、高橋和巳の『邪宗門』の方が、救済のない絶望感においてはるかに凌駕しています。
反国家的宗教を権力が徹底的に弾圧し、さらに大衆も洗脳されて警察や軍隊以上に石を投げ唾を吐く、戦前の暗黒面とか日本人の恥部が描かれています。
結局今の日本は、反省とか克服とかではなく、忘却というかやり過ごすこと・なかったことにすることによって、いつでも後戻りする危険性をはらんでいるのです。

ちなみに、時代を表現するとか、人間を描いているとか、ルポルタージュではないんですから、文学とは言葉で創造する芸術作品であることを評価したいですね。

『蟹工船』より巧妙な資本の搾取 名ばかり管理職

派遣労働者の悲惨さは分からないでもないです。

ただ、小泉郵政選挙の時に、自民党に投票した人、選挙に行かなかった人には、今日の格差を批判する資格はないでしょう。
小泉政権の目指すもの、また郵政民営化は、格差を拡大することを目的としていたからです。

そして、麻生太郎が自民党の総裁に相応しい、総理大臣になればいいと思っている人も、気を付けた方がいいです。
彼の政策は、日本の将来のためにならないくたびれた産業に税金を投入するものであり、将来性のある産業による新陳代謝を阻害するものになるからです。

つまり、潰れかけた、あるいは潰れるべき産業を、税金という生命維持装置によって存命させるだけであり、日本を栄えさせる世界と勝負できる産業の育成を邪魔するものとなるのです。

そして、既存の労働者の既得権を守ることによって、若い人たちの正規雇用が阻害されている現実と、まったく同じことが産業規模で起こるということになります。


ともあれ、いい加減にわれわれも国民として気づくべき時が来ているように思います。

つまり、政治が悪いとか役人がどうとか、他人の所為にばかりするのではなく、自分が何もしなければ、よく学習せずに感情で動いていたら、とんでもないことが起こるということです。

責任は全部、自分にあるのです。

本題に戻りますが、名ばかり管理職の問題は、実は派遣より深刻です。

例えば「課長」にしておいて、会社側に属するポジションと偽装し、夜も休みも賃金なしで働かせ、タイムカードで勤怠管理を行い、一般労働者よりも生産性が高い、つまり搾取しがいのある労働力となっているからです。

残業代に比べれば、役職手当など安くつきます。

結局、セブンイレブンやマクドナルドという有名企業の実例もありますし、そのほか店長や支店長を多くかかえる会社は、ほとんど名ばかり管理職からの搾取によって、全国展開による企業規模の拡大をはかっていると見て間違いないでしょう。

多くは、名ばかり管理職にあたる人の裁判闘争で明るみに出て、かつ改善される動きも出てきています。

行動を起こさなければ何も変わらないということです。

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