自民党麻生太郎総理大臣誕生と浮上する公共事業など旧来型内需活性化
小泉総理の政策は、改革であったには違いないのですが、それは必ず格差を呼び込むものであったという客観的評価が必要でしょう。ご本人も「痛みに耐えて…」とおっしゃってますし。
また、宮崎県民に絶大な人気を誇る東国原知事の政策は、主に観光と農業を盛んにするもののようですが、見逃せないのは、前知事までが癒着と庇護を重ねてきた建築土木関連の企業が多く倒産していることです。
政治には、取捨選択、つまり一方が栄えれば他方が落ち込むという、非情の結末がついて回るのです。
麻生政権の景気対策は、あまねく日本全体の企業を活性化させるものとはならずに、自民党の力のあるセンセイに選ばれた産業には税金が注ぎ込まれ、そうでない産業は冷や飯を食らうことになるでしょう。
麻生新政権で旧来型内需相場のシナリオが浮上
ロイターが興味深い記事をあげています。
経済政策の比重が道路やダムの建設といった旧来型の景気浮揚策に傾いた場合、過去の経緯からその経済効果を疑問視する声が多く、内外の市場参加者から「失 われた10年」の前に戻ったとの印象を持たれれば、日本株のイメージを損なうリスクが生じるとみるマーケット関係者が少なくない。
一国の総理大臣が、とんでもないことをやるのではと、心配しているわけです。
市場では「リーマンショックなど金融問題で新政権に対する関心が薄れる一方、誕生後すぐに解散・総選挙、与党敗北で下野──といった可能性があることも、政策買いが盛り上がらない背景になる」(明和証券・シニアマーケットアナリストの矢野正義氏)
ということで、経済的な識者のほとんどは、従来型の景気対策をやられたら、日本は将来的に取り返しのつかないダメージを受けることになると警告しているんですね。
そして、総選挙では自民党は必ず議員数を減らすでしょうけど、民主党を中心とした野党が過半数を得る可能性も少なく思えます。参議院と衆議院は違いますから…
となると、衆議院で自公の与党が過半数、参議院で野党が過半数、ねじれの極致に達して何も決まらず進まず、日本は恐ろしい停滞に陥る確率が高くなります。
これが最大のわが国の危機となるでしょう。