IT講習会とニューウエイズ 中高年フリーター マルチ商法の勧誘で危機一髪

今は午前04:30ですが、なかなか寝付けません。

レベルの低い物事や人物に関わっては、自分のレベルが上がらないと先にエントリーしたのですが、そのレベルが低い状況で翻弄された過去の記憶が頭をよぎって、感情のボルテージも上がってしまいました。

再就職に失敗し続けた私、中高年離職者は、とうとうフリーターとなってハローワークだけでなく、パートバンクにまで仕事をあさりに行くようになりました。

おりしも森内閣のとき、e-JapanとかIT○○とか政府もいけいけで、私は公共事業?としてのIT講習会の講師の仕事にありつくことになりました。

IT講習会の講師として

キーボード・マウス操作やWordでドキュメント作り、インターネットのメールと検索など、私自身はその時に既にITスキル?は十分備わっていて、教える立場として何一つつまずくことはなかったですね。

サラリーマン時代も、PCやMacを使いこなすだけでなく、部下を集めては私設パソコン教室を開いていました。
そして仕事用の私物PC購入も斡旋していました。会社が買ってくれなかったんですよ。

まあ、どの会社や組織も、こうして情報漏洩の温床ができていくんでしょうね。

経費を出したくない、従業員が自腹でパソコン買って仕事をしてくれる、ありがたや助かった儲かった。しかし、備品であれ私物であれ、パソコンを使って企業データをあつかう規定もなければ、問題視する経営者・管理職もいないわけですよ。

ところで、このブログの読者でも、IT講習会の先生または生徒の経験がある方もおられるでしょう。

私としては、いくらかの家計の足しになってありがたかったのですが、大所高所から振り返ると、日本国民にとってIT講習会って役に立ったのでしょうかね?

テキストは有料だったものの、受講料自体がタダでしたから、IT講習会受講後にパソコン買ってという人がどれだけいたんでしょうか?
あるいは、それ以前にパソコンを持っていた人で、ITライフを楽しむことができるようになったのでしょうか?

それに、同僚というか他の講師の皆さんのスキルもなかなかのもので、教え方は老人にも分かるように優しく接していましたが、実際のパソコン教室で先生になれるほどかどうかは…

やれやれ、今回も長くなりそうですが、いよいよ本題に入っていくことにします。

IT講習会の受注者 T氏

IT講習会は国の公共事業で税金によってまかなわれました。

各地方自治体にお金が回り、それに対して企業・団体が入札をして安いところから落としていくような仕組みだったと思います。

落札をした企業・団体には、本命のパソコン教室だけでなく、普通の塾・予備校や、ソフト開発会社のようなところまで加わっていたようです。
また複数の自治体にまたがって受注している会社もありました。

税金にたかることは事業者にとっておいしいようです。取りっぱぐれがなく、すぐに現金が入ってきますから。

で、講師にパート時間給を支払って、残りが取り分というわけです。

私が講師になったところの事業主を、仮にT氏と呼んでおきます。

面接に行って、いろいろ話をして、講師になることはなったのですが、翌日、ある経営コンサルタントの事務所へ行こうということになりました。

「いろいろ話をして」というのが禍だったのです。

事務所について紋切り型の挨拶が終わった途端に、T氏が昨日提出した私の履歴書を経営コンサルタント氏に見せました。
(えっ、なんで。…仕事でも紹介してくれるのかな。親切だな。と内心思いました。)

経営コンサルタント氏は、私の履歴書を見て、「あんたは転職が多いねぇ」と漏らしました。彼の「こいつはダメだ」という表情が忘れられません。
(転職が多い事情は後日書きましょう。)

さて、ここまでだと何のことか分からないと思いますが、真相はこうだったのです。

T氏は、事業主にして、今お騒がせのマルチ商法のひとつ、ニューウエイズのヘッドの一人だったわけです。

さらに、このT氏のマルチ上の親が経営コンサルタント氏ということでした。

この経営コンサルタント氏は、あとで聞いたところによると、業績の良くない企業にコンサルとして入っては、会社ぐるみ自分の傘下にして、ニューウエイズを広げに広げていると。
ですから、中高年の再就職は難しいだろうから、ここはひとつ、ニューウエイズにかけてみたら。ということみたいでした。

ばかばかしいことに私は、経営コンサルタント氏の部下にしてマルチ傘下のオルグ係に、ニューウエイズの商品とシステムの説明を聞かされたわけです。
あと二人ほど同席していました。

もともと訪問販売系の会社で営業マネージャーをしていたので、外資系MLM(マルチレベルマーケティング)のアムウェイやニュースキンなどは、ある意味競合だったわけで研究もしていました。

ニュースキンはかなり後発で、その分システムも練れているようでしたが、いかんせん、マルチはマルチ、ネズミ講の変形にすぎず、どのみち先ほど挙げたアムウェイやニュースキンなどを抜けたグループが上の方に鎮座しているのでしょう。

これは、政治家のセンセイがおっしゃるとおり、違法ではない企業もありますし、有名芸能人も加わって活躍しています。

ただし、 早くはじめた者、組織の上にいる者だけが儲かって、あとからやっても親に貢ぐだけなんですよね。

私は、業界のことをよく知っていましたので、寸止めで終わり、T氏や経営コンサルタント氏を失望させてしまいました(笑

もちろんT氏は、IT講習会のことではなく、例の話で何度も家に電話をよこしたことは言うまでもありません。

ある施設のロビーでの面接

もう記憶が定かではないのですが、IT講習会の前後で、ある企業の面接に出かけました。

面接会場は、ウェルサンピア(厚生年金健康福祉センター)の、ロビーでした。

面接の担当者も、どういう立場の人かよく分からずじまいだったですね。

想像するに、ある会社の代理店か何かをやっていて、彼は、その会社だけでなく、別のいくつもの会社の商材を扱っているわけです。

ですから私の仕事も、ハローワークで紹介された企業に就職するというのではなくて、面接氏の手下となって営業に回り、かつフルコミッションということだったんですね。売上がなかったら報酬もゼロというわけです。

フルコミッションの営業するんだったら、自分で事業をするよ。

それに、コーヒー代をケチって、ロビーで面接って、どれだけ稼いでないんだよ。

そしてまたしても、この面接氏が会わせたい人がいると紹介されたのが、ニューウェイズではなかったもののマルチの中ボスだったのです(笑

これは象徴的でしたが、貧すれば鈍するで、面接先の格も落としに落として、最後は行くところすべて、売上次第で稼ぐべしというくだらない商材の営業ばかりでした。

結局、雇う側が働きのない者に金を出したくないってことでしょうけど、雇われる側からすれば仕入れ代金つまり資本だけの問題で、別にこんな会社を通さなくても今の世の中、いくらでも売る商品はあるわけです。

誰も彼も、リスクを取らないこともさることながら、どれが本当のリスクで、どれが将来有望かって、考えもしない。まったくの横並びで思考停止しているわけです。

中高年の再就職活動は(ここには絶対に書けない、書きたくないことも数多くあります)、失敗と屈辱、そして絶望の連続だったわけですが、今まで知らなかった世界、世の中の闇とか恥部とか、自分の能力や社会的評価の客観化とか、本当に勉強させていただきました。後付けですが…

まあ、銀行にしてからが、お金を貸すのに事業主の土地財産などの担保を取って、どんだけ事業の将来性とか勘定できないんだって話です。
それで、わが銀行こそが何かあればすぐ経営不振に陥っているんですから、レベルが低いってことでしょう。

投資家にしてもそのほとんどが、不安だったら売り込み、ちょっといい話があったら買い上げて、この人たちも付和雷同でレベルが低いです。

キレイな仕事をしている人もレベルが低いし、そうでない人もレベルが低い。

そんな連中に負けたら、殺されたら、自分が惨めすぎますよね。負けたくない、死にたくない。

こうして、先ほどの「フルコミッションの営業するんだったら、自分で事業をするよ」のささやきの声が大きくなりながら、起業への意志が醸成されていったのです。

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