日本がダメなのは組織の問題 管理職とか経営者が邪魔をする 政府も
今回の池田信夫ブログのエントリーは、非常に考えさせられます。
イノベーションは技術革新ではない
The Venturesome Economy の書評と解説です。
イノベーションは技術革新ではない – 池田信夫 blog
経済成長の最大の要因がイノベーションだということは、今日ほぼ100%の経済学者のコンセンサスだろう。
アップルやグーグルのように既存技術の組み合わせによってすぐれたサービスが実現される一方、日本メーカーのように特許はたくさん持っているが収益の上がらない企業が多い。
本書によれば、多くの場合にボトルネックになっているのは、技術ではなくマネジメントである。凡庸な技術が優秀なビジネスモデルによって成功するケースはあるが、その逆はない。
私は、日本人のDNAは2パターンあって、1つは明治維新や戦後闇市や松下(現パナソニック)・ソニー(その昔)・ホンダなどのポジティブ系譜と、もう1つは全体主義・横並び・官僚・大衆のネガティブ系譜だろうと思っています。
松下やホンダ、ソニーも、いいものを作ったというより、売れるものを作った、ということでしょう。
日本人のイノベーションのDNA
また、ポジティブ系譜に属さない人の特徴は、戦国時代の日本史が好きで、自分を信長・秀吉・家康にたとえてみるわけです。
ところが、その時代の百姓や足軽、庶民にしかなりえないとは想像しないんですねぇ。
ポジティブ系譜は、単なる英雄史観でとらえるのではなく、突出する孤立した才能では社会や歴史を動かすことができず、仮に御輿の上に乗るにせよ、担いでくれる人たちをも調達できるほどでなければなりません。
だから、政治家や経営者などを評するのに、個人名を挙げてどうのこうのと言う人は、実はネガティブ系譜の真っ直中にいるということになります。基本的に組織が分かっていない人たちです。
ポジティブ系譜の日本人のDNAとは、時代に合致し、勝ち抜き生き延びる人を集めて、組織化するパワーといったものでしょうか。
よって、企業のイノベーションとは、結果としては消費者に支持されるわけですが、それ以前に新しいものを世に送り出す集団・組織が熱狂的に、あるいは死に物狂いとなるような状況で発生するのではないでしょうか。
企業でも社会でも国家でも、安定期とか変動がない時は、むしろネガティブ系譜のトップと下部で運営された方がよく回ると思われますが、動乱とか激変の時代は、重要なポジションから一掃するか、むしろ別の先鋭な集団・組織が取って代わらないと、全体が滅んでしまうでしょう。
スモールビジネスの起業でさえイノベーションの一種ですから、経営者が一人とか数人でスタートしても、その会社は異常に熱く、そして大勢の関わる人を巻き込んで、世を、市場を変えていくエネルギーが要求されると思います。
逆に創業期に、ネガティブ系譜の人がメンバーにいたり、この人に引っ張られると、会社は潰れる可能性が大です。