20世紀型既得権の破壊 生産性のない社員(労働者・管理職・役員)を解雇するべし

アメリカのサブプライムローン問題による金融危機を端緒として、世界的な大不況、恐慌の様相を呈しはじめました。

日本でも、テレビや新聞が連日、非正規労働者の解雇を報道しています。

問題なのは、正しい分析や公平な評価なくして、まるで社民党や共産党と同じスタンスで、日本が社会主義になるべきだという結論を出しそうな雰囲気にあることです。

非正規労働者を解雇しないと企業が倒産する場合の選択肢は?

テレビや新聞も、本当は、労働のコストダウンのために非正規労働者を雇用し、さらには、万が一の時には企業生き残りのための安全弁として彼らを解雇するという理屈は分かっているはずです。

では、ぎりぎりの企業存続に必要な売上と利益を維持して、さらに非正規労働者の雇用を守るためには、何を選択するべきでしょうか?

人件費もコストです。

このコストの上限があるのならば、人数を増やすということですから、今のところ解雇されずに済む従業員の給料をカットするしかないでしょう?

非正規労働者の年収がどれほどか調べていませんが、仮に300万だとしたら、1200万取っている管理職や役員を解雇すれば、一人社外に放り出すことによって4人雇用できますから、差し引きプラス3名となります。

[中級経済学事典] 新古典派総合 – 池田信夫 blog

もし自然失業率が5%であれば、現状は定常状態に近いので、総需要を追加しても改善しない。自然失業率を下げるためには、サマーズもいうように労働組合の既得権を削減し、労働市場の流動性を高めることが重要だ。

日本人が気づくべきなのは、企業や経営の日本特殊性は、実は、労働法などに守られた労働組合と労働者の日本特殊性に規定されている面があるということなのです。

J-CASTニュース : 働かない中高年リッチ解雇せよ 「正社員」保護しすぎ論が台頭

非正規社員のクビ切りが社会問題化している中、正社員の過剰な保護はやめるべきだという意見が出てきた。非正規社員を切るよりも、たいして働かずに年俸1000万円以上の中高年をリストラするほうが費用対効果は大きい、という主張がその一つだ。一方、正社員と非正社員の垣根をなくしてフラットにするべきだ、つまり、正社員にも賃下げや解雇を認めたらどうか、という意見もある。正社員だから安心、とはいえない時代に突入したらしい。

世界同時不況ということで、日本の特殊な事情が見逃されがちですが、今の不況が、一時的なものではなく構造的なものと判断すれば、戦後続いてきた労働者天国を解体する時期が来たと思い知るべきではないでしょうか。

ダメな会社が潰れるように、ダメな社員も罷めさせられるべきです。

年金問題も、労働組合に守られた社会保険庁の労働者たちのサボタージュが原因でもあるのです。

労働組合や労働法に守られた労働貴族は、社会主義でさえない

カール・マルクスが、『ゴータ綱領批判』で共産主義という理想を描いた有名な言葉があります。

意訳すると、「能力に応じて労働し、必要に応じて消費する」と書いてあります。これはユートピアですね。

そして、その前段階で「能力に応じて労働し、労働に応じて消費する」と想定されています。

能力に応じて労働していないし、労働に応じていない報酬を得ている労働者は、社共が守るべき労働者ではないということです。

だから、社会主義や社会民主主義を標榜する思想家や政党は、真っ先に労働貴族の特権の温床となっている、既存の労働組合を解体し、日本の労働法を改定する運動を起こすべきでしょう。

ヨーロッパでは、労働者が賃下げに応じて、別の人の雇用に協力するという「ワークシェアリング」も見られます。
また、北欧では「同一労働同一賃金」という合理的な規制のもとに、国家的な生産性の高さを実現しているようです。

日本の企業の世界に通用しなくしているもの、非正規雇用に一方的にしわ寄せが集まっているもの、元凶は日本の特権的な労働者たちなのです。

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