2009年はテレビ局や新聞社が潰れる? イノベーションなき産業の断末魔

私は出張したときに、あるテレビ番組を見ることを楽しみにしています。

テレビ東京系のワールド・ビジネス・サテライト。
これが広島県の地上波では見ることができないんですねぇ。

田中角栄による都道府県割りという電波行政の弊害が今日まで連綿と続き、地方テレビ局を守るという国策で、国民視聴者は泣かされ続けているわけです。
もちろん地上デジタル放送でも、数百億円の税金が、国民のためとウソで固められて、テレビ関係の産業に無駄遣いされていくのです。

先日のSEOセミナーと商談(行商)を内容とした東京出張は、体調を崩したこともあってホテルでおとなしく、夜11時からの約一時間、毎日きっちり見させていただきました。
キャスターは才色兼備の小谷真生子さんですが、経済が主なニュースということもあっていつもしかめっ面をしていましたね。
早く彼女のステキな笑顔を見ることができるように、日本の景気が良くなって欲しいものです。

ともあれ、地方の放送局って要らないでしょ?

テレビ・新聞 陥落! 2009年中の倒産はあり?

ところが、倒産しそうなのは地方のテレビ局ばかりでもなさそうなんですね。

週刊東洋経済「テレビ・新聞 陥落」

この本は、出不精の私はAmazonで予約注文したのですが、もう品切れです。在庫ありに変わりましたね(2009-01-31 18:20)。

われわれスモールビジネスにとって、テレビや新聞の企業が倒産しようが、関係ないと思ったら経営のセンスはありませんよ。

とにかく、最近の日本国民は、テレビを見ない、新聞を読まない、そして、テレビや新聞さらには雑誌などのオールドメディアの収益の柱である「広告モデル」が崩壊しつつあるわけです。

スポンサーも、テレビや新聞、雑誌などに広告を載せても、ものが売れないと見切りはじめているのです。

しかし、日本経済はゼロではありませんから、どこかで誰かが売り買いしています。

つまり、商品や会社を知ってもらう媒体が、今までのテレビや新聞、雑誌と大手広告代理店で作られてきた媒体から、移行しつつあるということにほかなりません。

まだまだテレビの影響力は大きいのですが、しかし、水面下で潮が引いてきているのです。

20世紀の主役たちが退場を勧告されている

オールドメディアの衰退は、テレビや広告や資本主義の先進国であるアメリカでも顕著になりはじめました。

そして、アメリカのビッグ・スポーツビジネスは崩壊するかも? – Tech Mom from Silicon Valley

広告業界の「アカデミー賞」ともいえる「スーパーボウルの広告」枠が、相当に売れ残っているとの話がある。

スーパーボウルの場合、必ずしも普段からフットボールを見ない人でも、「お祭り」だから見る。職場のみんながトトカルチョやってるから見る。CMが話題になるから見る。見ておかないと営業先のお客さんとの話ができないから見る。ハーフタイム・ショーでの突発事件を見逃したら話題についていけないから見る。要するに、「みんなが見るから見る。」そういった「浮動票」視聴者までも取り込めるからこそ、広告の「集中効果」が大きく、スーパーボウルはビッグ・ビジネスになる。

しかし、ちょうど「若者が車に興味を失っている」と同じように、このテレビによる「集中効果」がなくなることで、「浮動票」的なスポーツファンが、スポーツに興味を失っていく、ということが徐々にこのアメリカでも起こるのではないか、という気がしている。

要するに、20世紀までは全盛だったあらゆるものごとが価値を失いつつある、つまり人類は目に見える形で21世紀本来の姿になろうとしている、そういう現象と思えるのです。

産業自体も、新規参入を阻むような、特に政治力によって護送船団化していて、企業努力を怠っている業界ほど、21世紀は危機にさらされているのではないでしょうか?

そしてスモールビジネスこそ、昨日と同じ今日を続けていたら、ひとたまりもないでしょう。

結局のところ、イノベーションの問題に尽きるような気がします。

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