企業を高めるブランド戦略:田中洋著でマーケティングとしてのブランドを研究

弊社も設立して第3四半期を終えようとしています。つまり、9か月目に達したということですね。

それまでは個人としてのんびり、ほそぼそと、食っていればいいやという調子でした。
しかし、それなりの社会的責任を負う株式会社をつくったからには、規模を拡大したり、雇用したりと考えています。

経営としては、クレドやミッションを確立し、ビジネスモデルや組織図を完備していっているのですが、会社の売上には、マーケティングが必要です。
ちなみに、私の会社の組織図には、マーケティング担当副社長も載っています(笑

マーケティングとブランド

利益は売上から生じます。

その売上は、お客さまから。

お客さまに支持される商材、商品やサービスを開発し、販売促進していくには、マーケティングが必要です。

あるいは、会社の存続そのものが、マーケティングにかかっていると言っても過言ではありません。

『行動経済学』やニューロマーケティングなどを研究する一方、 『消費者行動論体系』田中洋著 でマーケティングの歴史と理論を学習していきました。

後者の田中洋氏の著書によると、どうやらマーケティングは「ブランド」に行き着くだろうと悟りました。

つまり、ブランドを制する者がマーケティングを制し、マーケティングを制する者がビジネスを制する。と。

『スピード・ブランディング』鳥居祐一著は、個人事業主の成功を加速させる

Amazonで「ブランド」を検索して、何冊か買って読みました。

スピード・ブランディング 鳥居祐一著

「鳥井祐一」氏が誰か、よく知りません。また、読後も検索もしていません。

Amazonのレビューで、もの凄い数の称賛が寄せられています。

しかし、この本に書いてあるのは、「パーソナル・ブランド」です。
個人事業主や、サラリーマンのためのハウツーです。

ここで解説されるのは、マーケティングの核としての「ブランド」ではありません。
個人が起業して成功する秘訣、サラリーマンが転職するときのよりどころ、そういったものです。

ブログやメルマガ、名刺などの蘊蓄は、それなりに有益でした。

しかし、この本に書いてあることだけでは、起業や転職は成功しないことも確かです。

本に書かれたハウツーに頼らなければ自分ではオリジナルを発明できない人は、本に書かれたハウツーを読んでも成功するわけがありません。
そして、自分でオリジナルを発明して成功する人は、ハウツーを必要ともしません。

しかし、中成功している人は、このような本を参考に大成功できる可能性があるでしょう。

無から有は生まれない。
しかし、小有が大有に化ける可能性はある。

それが分かる良書です(笑

『小さな会社のブランド戦略』村尾隆介著は、スモールビジネスの企業や経営を成功させる

この本には、スモールビジネスに最適化された、ブランドによる事業成功法が書かれています。

小さな会社のブランド戦略 村尾隆介著

そもそも出版社がPHPですから、ビジネス書としてもよりしっかりしています。

数々の、中小企業の成功例が列記されていて、これは参考になります。

ただ、やはりマーケティングの「ブランド」ではありません。

むしろ、起業や事業拡大の、工夫や努力をブランドと称しているかのごとくです。
つまり、社長や商材や会社の知名度や認知度が上がることによって、ビジネスが成功していくからです。

しかし、それは私が求めている「ブランド」とは違っていました。

とはいうものの、スモールビジネスが成功するために、ブランドというキーワードで、事業や経営を掘り下げ突き進むという点で、非常に参考になる必読書です。

  • 一番になれるカテゴリーを発明する
    一番最初に○○をはじめた会社。などなど
  • 60秒で伝える会社や商品の紹介文
    人に分かってもらえないから売れない伸びない。
  • お客さまのフォーカス
    大勢に向けたメッセージは、ありきたりで弱い。
  • ビジネスのシステム化
    社長は「3年後に生き残っている理由」を考えることに専念し、社員が会社を動かす
  • 会社の伝説をつくる

ということで、最初のパーソナル・ブランドではなく、スモールビジネス・ブランドに特化した、非常に有益な本です。

『企業を高めるブランド戦略』 田中洋著で、本物のマーケティングに使える真の「ブランド」を学ぶ

この本は、 『消費者行動論体系』の著者である田中洋氏によるものです。

企業を高めるブランド戦略 (講談社現代新書)  田中洋著

新規ブランド創出、成熟ブランドの活性化など、マーケティングとしてのブランドの科学となっています。

かつてバカ騒ぎされたCI(コーポレート・アイデンティティ)なども、批判的に総括されています。

逆を言えば、根っこがない、流行りものに飛びつく、そういったダメ会社が競合なら確実に勝てる方法論をつかめます。
というか、日本ではダメ会社がほとんどです。

これから規模を大きくしたい、ある程度の規模の企業のマーケティングを担当している、個人事業主止まりの成り上がり富裕層になりたくない、そういった経営者や幹部に超お勧めの必読書です。

カーリー・フィオリーナがHP(ヒューレット・パッカード)を蘇生させた話、日本リーバが「ダブ」を成功させたグローカル(global + local)戦略、ミツカンの味ぽんやサントリーのBOSSなど、マーケティングにおけるブランドの成功事例も最終章にあり、とても興奮させられます。

大学などでアカデミックな研究に没頭した経験のある方や、社会人になって知識を実業の友にしてきた方は、ぜひとも読んでください。

あるいは、この本を読まずしてブランドやマーケティングの話をする人は、パチものと言い切れるでしょう。

優れた良書、間違いなしです。

ブランド展開とECサイト

インターネット・ビジネスにおいて、ブランドがないところは、ブランドをつくるようにアナログとデジタルを仕向けなければなりません。

リアルでもネットでも、ブランドのあるなしで売上が大違いだからです。

そして、ブランドができているところは、そのブランドをWebサイトで表現していくことが、インターネットのマーケティングになってきます。

逆に、ブランドを表現できなければ、ECサイトとしては失敗する確率が高いということです。

ブランドとは、ECサイトの訪問者に、他のショップでは買わない、このサイトで購入する、明確な理由を伝えることと言えるでしょう。

その意味で、ナンバーワンであり、オンリーワンでなければならないのです。

仮にも販売するWebサイトであれば、ブランドというマーケティングを導入していない限り、より確実な成功はないと。

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