悪の遺伝子 遺伝子は脳を設計し、人格や感情や思考や行動のアルゴリズムとなる!?

悪の遺伝子―ヒトはいつ天使から悪魔に変わるのか: バーバラ・オークレイ, 酒井 武志

先ほど読み終えた本。

まったく清涼感のない、逆に重苦しい読後感が…

『悪の遺伝子―ヒトはいつ天使から悪魔に変わるのか: バーバラ・オークレイ, 酒井 武志』

 悪の遺伝子―ヒトはいつ天使から悪魔に変わるのか (単行本) バーバラ・オークレイ (著)

とにかく、ものものしいタイトルである。

数カ月前に買って、積んどく状態をようやく解除した。

しかも、なぜこの本を買ったのか、自分でも経緯が分からなくなっている。誰かの書評か、あるいはAmazonのお勧めか、そのあたりである。

ただし、何カ月かの間をおいても読了したのは、興味があったことと、仕事としても必要だったからである。

読んだ気になりたい方、読まずに済ませたい方は、悪の遺伝子 で抽出されるブログなどをどうぞ。

まず書名であるが、原題も「Evil Genes」であり、やはり「悪の遺伝子」である。

そして、このタイトルから何を期待したかというと、悪人は生まれながらの悪人であり、更生が可能か不可能かのエビデンス、つまり証明ないし客観的データを示してくれるのかなと思った次第である。

こういう思想は、非常に危険である。

トム・クルーズ主演の『 マイノリティ・リポート』を彷彿させるし、小飼弾氏のオビ書きどおりの「優生学」イデオロギーに連なりかねない。

ある意味で期待を裏切らないような内容で、fMRIなども駆使した悪につながる脳の部位を図解したり、心理学とも連携している。

悪人が生まれながらの悪人なら、騙される人も生まれながらに騙される人かもしれない。

モノをよく買う人は、生まれながらの浪費家かもしれないし、買わない人は、生まれながらの吝嗇家かもしれない。

まあ、こうして論を進めていけば、根深い差別を惹起してしまう…

ともあれ、最新の行動経済学やニューロ・マーケティングなども、行き過ぎれば同じ穴の狢である。

ロクでもない商材を売りさばくために、キャッチーなコピーを発明したり、テンプレートを利用したり、クレームを意に介さなかったり、これまた「悪の遺伝子」のなせるわざと言えるかもしれない(笑

この本を読んで得た知識としては、生まれながらの悪人という優生学的、差別的思想はおいといて、仮に遺伝子が脳を設計し、人格や感情や思考や行動のアルゴリズムとなるならば、その遺伝子に由来するものに最適化すれば、ビジネスで、経営でも、組織運営でも、応用できるということである。自分でも他人でも…

あるいは、自身が悪の遺伝子を持っているか・いないか、あるとき、パンドラの箱が開けられ犯罪者の仲間になることもあり得るわけである。

「サイコパス」までいかなくても、「境界性パーソナリティ傷害」などは、組織長の多くに見られる精神性のような気がしないでもない。

最終の7章 悪魔に魅入られた男で、毛沢東の卓越した邪悪な成功者ぶりが描写されている。

なお、総じてエビデンス不足であることは否めない。

地獄を見たことのない人には、お勧めできない書である。

検索アルゴリズムの仕様を決定するボスのプロファイリング

 FBI心理分析官―異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記 ロバート・K. レスラー (著)

実際、われわれは市場という抽象的なものを相手にしているわけではなく、具体的には一人一人の消費者に商材を販売しているわけである。

上記では茶化したが、やはり行動経済学やニューロ・マーケティングは棄てがたい。

さらには、弊社の検索エンジン対策、SEOにおいても、順位付けルールはプログラムであっても、その仕様を決定するボスが存在するわけだ。

その彼が、どういった理想を持って、上の方に表示されるべきページの姿を思い描いているか、そのイメージをプロファイリングするべきなのである。

プロファイリングと言えば、『羊たちの沈黙』のジョディ・フォスター演ずるクラリスと、アンソニー・ホプキンスのハンニバル・レクター博士が思い浮かぶ。

そのモデルともなったとされている、著者の書も必読ではなかろうか。

プロファイリングは、対消費者だけでなく、取引相手や、上司部下などにも試みる価値はあるだろう。

人の心は、暗く深い。かもしれない…

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