自民党の政権構想会議の第2次勧告 国家社会主義との対決と「小さな政府」

自民党が新綱領を作ろうとしている。結党以来、50年ぶりの改定となるそうだ。

自民党の方針 「小さな政府」

自民党の政権構想会議なるものがあるらしい。議長は谷垣禎一総裁。他のメンバーは、議長代行に伊吹文明、委員には河野太郎と西村康稔、その他落選議員や地方議員。

その政権構想会議の勧告。

自民党綱領見直しへ、政権構想会議2次勧告 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

勧告では、党として、〈1〉自助を基本に公助や共助を活用する「品性ある国民、品格ある日本」〈2〉次世代の税には頼らず、均衡財政を目指す「不必要なことをせぬ政府」〈3〉時代の変化に対応し、国際貢献するための憲法改正――を目指すべきだ、とした。

「自助を基本」「次世代の税には頼らず」『不必要なことをせぬ政府』と、本質的にはアンチ民主党というニュアンスだ。

ところが、上記は読売に対して、下記朝日になると、かなり違った感じがする。

asahi.com(朝日新聞社):自民、党綱領を改定へ 政権構想会議が第2次勧告 – 政治

政権構想会議は、結党以来の党理念である憲法改正の方向性について、(1)日本型保守の価値観で時代変化に対応(2)国際社会への貢献(3)権利と義務・地方自治を明確に――の3点を示した。

とよく読んでみると、朝日は「憲法改正の方向性」にクローズアップしているわけだ。
ご贔屓の民主党に対する、アンチテーゼの部分は意図的に隠したか?

つまり、民主党嫌い・自民党好きの読売と、その逆の朝日による、それぞれバイアスが見事に表現されているとも言えるだろう。

時事ドットコム:「正しい保守の旗を」=政権構想会議が2次勧告-自民

勧告は、民主党の「社会主義的政策」を批判した上で、「国家社会主義的政党とは闘わねばならず、自由と民主はなお大切な価値」と強調。「正しい保守の旗の下、社会主義への祖先返りと対峙(たいじ)し、政府の国民生活への過剰介入を認めない」などと明記した。
また、憲法改正で「日本型保守の価値観を基本に、時代の変化に対応する憲法」「人類の新たな目標、国際社会に貢献する憲法」などを目指すことを掲げた。

ここが一番分かりやすい。

そして最後

自民、「小さな政府」路線を選択 民主は「国家社会主義政党」  – 47NEWS(よんななニュース)

民主党を「国家社会主義的政党」と批判、「政府の国民生活への過剰な介入を認めない」として、明示はしなかったものの「小さな政府」路線を選択する姿勢を強調した。

実は、最後の文章が、非常に示唆的だ。

記事は共同通信のもの。

この記者は、『明示はしなかったものの「小さな政府」路線を選択する姿勢を強調』と、踏み込んだわけだ。

だがしかし、小さな政府とは、今の日本人の上から下までの大部分が批判している、格差社会を作ったとされる小泉・竹中路線への回帰ではないのか?
だからこそ、アンチ民主党は表現できたが、小さな政府とは言えなかったのではあるまいか。

勧告は冷戦崩壊で「自民党の立党目的の一部は達成された」と指摘。一方で衆院選で大勝した民主党中心の鳩山政権について「一度の投票で有権者にすべての判断を委任されたとの思い込みによる中央統制的な意思決定」が行われていると断言した。

その上で「自由と民主の下に正しい保守の旗を立て社会主義と対峙」すると訴え、「不必要なことをせぬ政府」の実現を提起。具体的に「自律と秩序のある市場経済」「均衡財政」「憲法改正」などを目指す方針も掲げた。

この共同通信の記者は、少なくともこの記事に限っては、読売や朝日の記者よりも、知識も文章力も、政治的中立性もあるようだ。

ところで、この後、首相経験者などの党の重鎮をまじえて、本当に「小さな政府」を党綱領に入れることができるのか?

ダムや空港や諸々の公共事業や、族議員の存在などは、政府のやった不必要なことではなかったのか?

アンチ民主党は大いに結構だが、自民党の過去の悪事も俎上に載せて、キッチリ自己批判するとともに、族議員の息の根を止めないと、単なるお題目に終わりそうだ。

何にせよ、民主党は公共事業主義などの自民党政治を破壊するだけの役割であり、次の政権が労働組合特権を剥奪して労働市場を自由化し、その次あたりで、まともに日本を立て直し、盛り上げる政権ができることを期待したい。

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