日本社会の歴史的転換とムラからマチへ、安心から信頼へ イノベーションなき経営者・社長の悲劇
日本は、遅かれ早かれ、世界標準の資本主義と、市場経済を受け入れるようになる。今は、その過渡期であり、まるで宗教戦争の様相となっている。
また、起業家のアニマルスピリットなどは、部課長には備わらず、イノベーションできる経営者、社長は必ず跳ぶ。
さらに起業/脱スモールビジネスの教科書は
この2冊は凄くいい!
日本の「安心」はなぜ、消えたのか
まず、今の日本は「ムラ」から本物の「マチ」へ変わろうとしている、人と人のネットワークが、ムラ型からマチ型へ移行し、生存や経済も安心から信頼へ変化しつつある。
そして、その2つの相いれない価値観が対立し、かつムラ型安心社会とその住人が、マチ型信頼社会の成立を拒み、憎み、壊そうとしていると、山岸俊男氏は語る。
資本主義や市場経済は、マチ型信頼社会を前提するので、お古いムラ人は、市場原理主義やらアメリカ型資本主義やら、小泉竹中構造改革やら、ありとあらゆる言葉と手段を使ってマチ型信頼社会を攻撃し、古き良き日本へ、武士道と品格の日本へ、巻き戻そうとしているらしい。現代版人斬り以蔵かも…
これから先に、うまく日本が本物の市場経済を運営し、世界標準の資本主義を受け入れることができるならば、それはマチ型信頼社会の出現となるわけだから、ムラ人は退場しなければならないし、自分だけでも一刻も早くマチ人になっておく必要がある。
簡単に言えば、他人をおいそれとは信じない、まず疑う、自分を騙すのでは?と思う人は、ムラ人である。
なお、同じ著者の ネット評判社会 はよろしくない。理論的な煮詰まりがなくだらだら書いている感じ。
ただしこの本の後半では驚く事実が述べられる。
日本人と中国人の複数のリサーチでは、日本人は今のところとことんムラ型、驚くことに中国人は世界でも最高のマチ型の結果となっている。
やはり、中国人は、資本主義や市場経済に向いている、そしてイノベーションできるアニマルスピリットを持っているのだろうか?
ビジネス・インサイト
ビジネス・インサイトとは、経営者、というよりイノベーターのひらめきのことのようだ。
セミナーを受けても、部課長は役に立たなかった、つまらなかった、講師や先生は世の中のことをよく分かっていない。自分たちの方がビジネスは知っている。と寝言をほざくらしい。
これに対して、まったく同じセミナーでも、一廉の経営者は、役に立った、自分の会社に活かせることがいくつも見つかった、受講してよかった、早速会社を変えよう。と感想を述べるらしい。
まるで、人を使う者と、人に使われる者の、人種が違うごときである。
起業でも、経営でも、つまるところはイノベーションということだ。
そして「経営者は跳ばなければならない」と。
その他の参考書として
その他には、全体を見渡せる知識として、使える経済書100冊 (『資本論』から『ブラック・スワン』まで): 池田 信夫。これは、超おすすめの短文書評集。
あと体力や知力があれば、マッハとニーチェ―世紀転換期思想史: 木田 元 で、今の科学者が言う科学、特に認識論や現象学などをマスターするといいだろう。
経済学者を筆頭に、科学と称されているものは、ニュートン力学的な因果律絶対で真理に到達可能な、人間と理性の傲慢さがベースのパラダイムであり、すでに破綻しているのである。