ピロリ菌の権威 ノーベル賞受賞者バリー・マーシャル氏 科学は反民主主義・反常識
私は今、ピロリ菌除去の治療中で、次のような過程にあります。
- 尿素呼気試験法で専用の袋に息を吐く
- 一週間後の検査結果で、ピロリ菌確認
- その後、ある抗生物質3種類を、一週間飲み続ける
- 約一カ月後にもう一度、尿素呼気試験法
- 来週、その結果を聞きに行く
もし、除菌できていなかった場合は、また別の抗生物質を服用するとのことです。
※2010年12月8日追記:ピロリ菌除去はみごと成功したようです!
バリー・マーシャル氏「科学は民主主義ではない」
さて、ノーベル賞受賞者でピロリ菌の権威であるマーシャル氏が、日本で公演をしています。
その記事が、12月4日の読売新聞朝刊に載っていました。
科学は民主主義ではない。常識と異なる新しい発見をしたときに、多くの人に同意されることは重要ではないからだ。
つまり、多くの人々は常識にしばられていて、ほぼ絶対に新しい発見を認めない。科学者さえも同様ということです。
なお、1983年に発表しようとしたピロリ菌に関する論文は、医学誌から掲載を拒否されたとのことです。その後、正式に発表できたのが1995年と、12年を要しています。
マーシャル氏は、その論文掲載拒否の手紙を、常識に挑戦することの絶望感と重大性を示す証拠として、今も手元に残しているそうです。
ピロリ菌と胃潰瘍や胃ガンとの関係は、非常に興味深いのですが、太古から人類はピロリ菌を持っていたらしく、これが大陸移動などの人類史の解明にもつながるというのは、衝撃ですね。
中村桂子氏 JT生命誌研究館長
このフォーラムのパネリストに、JT生命誌研究館長である中村桂子氏が加わっていますが、この方は凄い人だなぁと思います。
私の仕事は、38億年の生物の進化の中で、人間とは何か、ゲノムなどを通じて解明する生命誌。
子どもたちに科学に興味を持たせるには、との会場からの質問に対する、中村氏の回答
先日、指揮者のバーンスタインが子ども向けに音楽を教える番組を見たが、彼は子どもに分からせようというのではなく、自分が面白い、大事だと思うことをきちっと伝えようとしていた。科学も同じ。本物を教えるのがよい教育。
これまた、無知な人未熟な者に迎合するのではなく、そのままで、すばらしさを伝えることが肝要と言っているような気がします。
子どもたち全員に興味を持たせるのは所詮無理ですし、たったひとりでもいいから、本物の科学に触れて覚醒する人を発掘するべきとも受け取れますね。
今回のフォーラムの基調テーマは、常識や大衆に反逆してこその知や科学といったところでしょうか。
「知ることへの最大の障害は、無知ではなく知っているという思い込みである」という歴史家の言葉を、マーシャル先生はノーベル賞の受賞講演で語られた。
2002年ごろの胃潰瘍
さて、私は2002年ごろに胃潰瘍を患いました。
そのときに通院したO病院では、ピロリ菌の話は一切ありませんでした。
今回は、例の大腸ポリープを切除してもらった別のY病院で、ピロリ菌除去の治療を受けています。
最初のO病院は、不勉強だったのでしょうか。それとも、2002年当時は、ピロリ菌と胃潰瘍の関係は、開業医の間では常識になっていなかったのでしょうか?
胃潰瘍の疾患があるときのピロリ菌除去は保険が使えますが、今の私のケースでは保険適用外となっています。
もう二度とO病院には行きませんし、人にも行くなと口コミを広げているところです(笑)