『男組』全巻電子書籍購入 神竜剛次の絶望 流全次郎の希望
iPad 2をゲットしたこともあって、少年時代に熱中したマンガ『男組』全巻をeBookJapanで購入しました。
すでにアナログの単行本の方は廃刊?になっており、入手難でしたから、電子書籍は嬉しいことです。
神竜剛次は闇、流全次郎は光 大衆は豚、老害日本
これからも、日本の電子書籍は、Appleの独占商法や対抗する出版社の利権や著作権などがからんで、紆余曲折をたどるでしょう。
原作は、『美味しんぼ』の雁屋哲です。
主人公は、流全次郎。物語の後半部で、真の悪者は戦後日本の支配者「陰の総理」ですが、全編を通じての敵役は神竜剛次です。
彼の哲学がもの凄い…
そして、大衆という大人の豚に喜んで仲間入りしようとする若者を全否定する神竜剛次ですが、敵前逃亡を繰り返す若者には流全次郎も批判的です。
「今、戦わない人間が、あとで戦うわけがない!!」
神竜剛次は、陰の総理によって与えられた権力を使って陰の総理を倒そうとし、そして流全次郎に敗れ絶命します。
物語は、高校生と殺人者・傭兵や警察などとの戦争状態、荒唐無稽です。
最後は流全次郎が単身で陰の総理を倒しに行きます。
聖書からの引用、「一粒の麦」
個人が、生命や財産にこだわり続けたらそのまま、命を投げ出し既得権や目先の利益を放棄してこそ、多くの人々が救われるということです。
エディプス・コンプレックス
美味しんぼの海原雄山を見ても分かるとおり、雁屋哲にはエディプス・コンプレックスがあるようです。
それは、現在の悲惨な状況を生み出している先行する世代、老人が支配する権力への憎悪でしょうか。
そして、その老人たちに気に入られようとする若者にも嫌悪しているようです。
また、神竜も流も長男であるはずなのに、剛次や全次郎という名前もいぶかしい。次世代が前世代を打ち倒すべし、という意味でしょうか…
次は同じ原作者の『野望の王国』を買おうと思っているところです。