思考停止社会~「遵守」に蝕まれる日本:郷原信郎著 コンプライアンスの暴走
「思考停止社会~「遵守」に蝕まれる日本」で郷原信郎氏は、いかに日本がとんでもない錯誤に満ちた世界になっているか、反省を促しています。
『思考停止社会~「遵守」に蝕まれる日本』郷原信郎著
著者の郷原信郎氏は、かつて例の東京地検特捜部にも籍を置いた、日本のコンプライアンス問題の第一人者である弁護士です。
その方が、特に経済に関する無知不勉強な検事や裁判官を批判し、暴走するメディアや大衆の「法令順守」病に冒された思考停止に警鐘を鳴らしています。
「不二家」や「伊藤ハム」の事件に当事者として携わった人間として、著者は騒動の愚かさを指摘しています。
発表しないことを「隠蔽」として騒ぎまくったメディアの、国民の安全ではなく視聴率だけを追求したというバカさ加減が分かります。
姉歯事件をきっかけとして建築基準法が改正され、これ自体が官製不況をもたらしました。
誰も彼もが、建築士や建設会社やマンション販売会社を叩いて潰して社会的生命を終わらせたのですが、地震が来たら壊れそうな建物はいくらでも残っており、そしてそれらは建設当時の法律には違反していないということで放置されているのです。
法律を守って、国民の安全は守られず。これが今の日本です。
ライブドアの堀江貴文、村上ファンドの村上世彰、ブルドックソースの企業防衛判決など、経済をめぐる検察と裁判所の無知や不勉強さを指摘し、さらには日本の経済活動に致命的なダメージを与えたと。
また、広島のアーバンコーポレイションが破綻して地元は大変なんですが、この裏に直前にアーバンに融資したBNPパリバ証券の不正な「スワップ契約」が株主に致命的な損害を与えたかもしれない事件は、放置されているそうです。これは、堀江や村上どころではない、大犯罪の可能性もあると。
裁判員制度や、社会保険庁の年金記録漏れ問題も、テレビや新聞とは大きく異なった見解を示しています。
終章の、今の馬鹿げた日本の法令順守・思考停止社会から脱する提案は、少し説得力がありませんが、それはわれわれがなすべき役割でしょう。
結論としては、みのもんたや古舘伊知郎、宮崎哲弥などの電波芸者に騙されず、自分で情報を集め、自分で考え、自分で判断するしかない。そういう世の中にしよう、ということになりそうです。
- 参照:思考停止社会 – 池田信夫 blog
思考停止、判断停止、疑念停止こそがブランドの正体?
非常に飛躍した意見です。
マーケティングにおいて、ブランドのあるなしで決定的に違うというのが、理論的な帰着です。
では、ブランドが果たす役割、消費者の購買行動に、どう働きかけているのか? が肝となるでしょう。
ブランドがあることによって、消費者は、商品の機能や他商品との違いなどを既に知っており、また、会社についても商品の開発力や販売の確実性などを自明のものとするわけです。
ECサイトにおいては、商品の紹介文と実際に届いたものとの落差を心配せずに済みますし、また振り込んでも届かないといった不安もぬぐい去られています。
ということは、ブランドがあれば、商取引において、疑いの心が生じないと言えるのではないでしょうか?
ですから逆に、ネガティブな悪評判が経てば、上記の郷原信郎氏が指摘するような、思考停止したこれでもかという大衆の攻撃が起こっているわけです。
つまり、ポジティブな評判としてのブランドは、消費者の思考停止を招いていて、良いとか悪いとかの判断も停止しており、詐欺ではなかろうかという疑念も湧かないようになるのです。
だから、ブランドがあれば、売れるのです。
私が究めたところのブランドの正体とは、消費者の購買において、思考停止、判断停止、疑念停止するだけの確固とした評判や信頼や確立すること、となります。
いかがでしょうか?