村上春樹『羊をめぐる冒険』 同時代の大江健三郎『同時代ゲーム』、井上ひさし『吉里吉里人』、丸谷才一『裏声で歌へ君が代』

村上春樹の『1Q84』が品切れ・増刷の大ベストセラーになっていますね。

私の村上春樹の読書体験は、『羊をめぐる冒険』(1982年)にはじまります。

国家や権力や体制をめぐる小説たち

村上春樹『羊をめぐる冒険』

この『羊をめぐる冒険』を読んで村上春樹にはまり、急いで同じ"僕と鼠ものシリーズ"あるいは"羊三部作"といわれる『風の歌を聴け』(1979年)と『1973年のピンボール』(1980年)を買って読みました。

当然、このシリーズの第4作目、完結編?の『ダンス・ダンス・ダンス』(1988年)を買ったことは言うまでもありません。
ただし読み終えることはできませんでした。
あまりにも、前三作とは異質だったからです。

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(1985年)にも挫折しました…

よって、『ノルウェイの森』(1987年)は、恋愛小説という売りだったこともあり、買う気をなくし、それ以降は村上春樹は好きな作家でなくなってしまいました。

村上春樹『風の歌を聴け』村上春樹『1973年のピンボール』
村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』

この村上春樹の『羊をめぐる冒険』が登場した1980年前後には、不思議なことに、国家とか権力とかそういったものが題材となった小説が日本で数多く出版されています。

国家や権力や体制をめぐる小説たち

その中で、私が持っている本は、次のとおりです。

  • 大江健三郎『同時代ゲーム』1979年刊
  • 井上ひさし『吉里吉里人』1981年刊
  • 村上春樹『羊をめぐる冒険』1982年刊
  • 丸谷才一『裏声で歌へ君が代』1982年刊

大江健三郎は嫌いな作家なのですが、『同時代ゲーム』は心に残る小説です。今は、忘れ去られた作品になったみたいですが…

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