『坊っちゃん』の時代:関川 夏央, 谷口 ジロー
最近可能なかぎり、マンガは電子書籍を買って、iPadで読んでいます。
よく利用するのは、eBookJapanです。
もう、今の若い人たちは、夏目漱石や『坊っちゃん』なども、読みもしないし、知りもしないかもしれませんが、私の高校生時代に読み漁ったものでした。
『坊っちゃん』の時代:関川 夏央, 谷口 ジロー
eBookJapanで、『坊っちゃん』の時代シリーズの全5冊まとめ買い。
第二回手塚治虫文化賞を受賞した、すばらしい芸術作品です。
内容は、『坊っちゃん』の時代 公式サイト などをご覧いただき、すぐに購入して感動してください(笑)
電子書籍はイヤ、リーディングするガジェットがない、そんな方は、Amazonで。
知的で、繊細で、がさつに出世や金儲けができない貴方。
時代は進むけど、いい方に行くとはかぎらないと、懐疑的な人。
夏目漱石や、明治時代のインテリゲンチャに興味を持つ方、憧れる方。
ぜひ、読みましょう。
日本のマンガは、映画以上の思想力と表現力です。
谷口ジロー について
2014年10月9日 追記
ちなみに谷口ジローによると、『坊っちゃん』の時代 とは、欧化・富国強兵の明治から大正、エスタブリッシュメントになれなかった知識人群像、文学者や詩人、芸術家などの「坊っちゃん」たちの時代ということのようです。
時代が必要とした山県有朋と、彼が進めた官僚化、富国強兵化。
彼を嫌い憎み、まつろうことができなかった「坊っちゃん」たちは、教師や医師など、国家があてがう職業に就きながら、『坊っちゃん』の時代を嘆き悲しんだのかもしれません。
ところで、作者の谷口ジローですが、
「『坊っちゃん』の時代」は、5部作で、第1部は1987年刊です。
第5部は1997年。その後、文庫化され、1993年に日本漫画家協会賞優秀賞、1998年に手塚治虫文化賞マンガ大賞など、受賞。
谷口ジローの作品で、これよりも有名なのは、「孤独のグルメ」でしょう。
連載開始は1994年、なぜか2012年には松重豊主演でテレビドラマ化されています。
「遙かな町へ」という作品は、フランスで映画化されているようですね。
つまり、古い作品が最近になって人気が高まり、また海外でも評価されるという、非常に不思議な漫画家ということになります。
世の中のWebやSEOは、コンテンツ、コンテンツと騒がしいのですが、自己啓発本やハウツー物では、創造力が高まるわけはないでしょう?
文学の古典的な名作はもとより、『坊っちゃん』の時代のような異質なマンガも脳力を高めると思うのですが…