NHKの歴史観 開明派・国際派は善 守旧派・国内派は悪 後者が前者を抹殺する
NHK大河ドラマ『平清盛』、視聴率が低迷しています。
しかし、NHKの歴史ドラマのメッセージは明確で、開明派や国際派が主役で、日本を何とか改革しようとして、既得権を護持しようとする勢力に殺されるような人物にスポットライトを当てています。
悪役の蘇我入鹿や平清盛の革命性 江の太平の世は天下布武で完成
『大化改新』では、蘇我入鹿が主役。
中臣鎌足は親友ながらも、中大兄皇子と結託して、乙巳の変を起こします。
そして、開明派・国際派が討たれ、唐・新羅連合軍との戦争に突入し、ご存じのように白村江の戦いで完膚なきまでに敗北します。
平清盛も、
経済的には、宋貿易や貨幣経済を振興させ、航路や港湾を開拓。
政治的には、王家や公家などの既得権者の勢力を弱め、国内派の貴族や仏教界の反発をまねます。
そして、決定的なのは、商業など眼中にない地方の農を基盤する武士や武装民が反乱を起こします。
最後に、江の願いは、太平の世。
夫の徳川秀忠は、その願いをかなえます。
ただし、平和は、憲法第九条のようなお題目でもたらされるのではなく、江の叔父である織田信長の「天下布武」によって、日本中を火の海にし、敵対者を滅ぼし尽くす、軍事活動によって獲得されるのです。
これも、メッセージのひとつでしょう。
現代の世相を反映し、まあ、批判していると言えるでしょう。
それは、権力や体制だけでなく、それを許容し、かつ、改革者のほうを引きずる降ろすような、たちの悪い国民に警鐘を鳴らしていると思います。